本ページはプロモーションが含まれています。

マツダMX-30プレビュー。車単位とブランド単位で異なる見え方

カテゴリー:
マツダ   MX-30   レビュー  

従来の魂動デザイン、
兄弟分となるCX-30、そしてマツダファン。
その存在が、この車を霞ませる


マツダMX-30について

マツダMX-30はそもそもコンセプトカーとして発表された時点では、EVつまりは電気自動車としてのモデルとして強調されていた記憶があります。
だからこそ、今回まずは国内向けとしては2リッターのマイルドハイブリッドとしてデビューすると聞いた際には驚いたと共に「果たして勝算はあるのか?」と疑問に思ったのも事実です。

MX-30のスペックについて

マツダMX-30のサイズでいえば、同じくコンパクトSUVであるマツダCX-30とほぼ同じです。 全高がCX-30と比べて10mm高い以外は全く一緒です。

全長 4,395mm
全幅 1,795mm
全高 1,550mm
ホイールベース 2,655mm
車両重量 1,460 - 1,520kg

エンジンについて e-SKYACTIV G(マイルドハイブリッド) 2.0L
出力について 156PS(モーター6.9PS) / 20.3kgf・m(モーター5.0kgf・m)
燃費について WLTCモード 15.6km/L

感想を一言で言えば・・・

マツダMX-30について、率直な感想を言うのであれば「中途半端だな」ということです。
これは、EVという触れ込みからのマイルドハイブリッド、CX-30とほぼ同じサイズと重なる面影、そしてなぜかそのサイズ感でありながらの観音開きドア。

この車に確固たるオリジナリティを感じることができず、EV崩れと言う印象がどうしてもありますし、EVにしても航続距離の短さ(リーフに比べて半分程度)、見た目も魂動デザインのような、そうでもないような・・・と全てに軸がないように感じました。

ブランド単位と車単位で異なる見え方

しかし、そのように感じていたのは自分がマツダファンであり、マツダのこだわりやらブランドやらを自分なりに考えてきたためであると気づきました。 この車は、マツダと言うブランド単位とMX-30単体で見る車として意味合い・解釈が大きく異なってきます。

ブランド単位としては、魂動デザインのβ版とも言える応用・発展的な解釈で新しいマツダの掘り起こし・挑戦であり、車単位として見ればクーペルックのSUVで、個性的な内装・インテリアの素材・機能を詰め込んだ小洒落たニューカーという存在となってきます。
これが、マツダの魂動デザインのブランディングや同じサイズ・骨格を持つCX-30との比較と言う色眼鏡・フィルターを通して見てしまうため、この車の色々な部分が見えにくくなってしまうと思います。

これに関しては、MAZDAの広報のやり方(最初に完全なEV車と思わせる発表や、MX-30という名前、発売日までのこの車の立ち位置に対する説明不足など)、またマツダファンの頑固一徹なこだわりとが反発して、この車の見方として正しくない方向へ誘導されてしまったのかなと感じます。

ある意味でシークレットハイドアウトの市販化

まずは車単位という目線でプレビューを行います。
この車を見たときに感じたことは、「あ、これ、シークレットハイドアウトじゃないか?」ということです。
マツダは2001年の東京モーターショウにて、観音開きドアの小洒落て遊び心に溢れたコンセプトカー「シークレットハイドアウト」を出展しました。


丸目のファンキーなヘッドライト、基本的なラインを直線でシンプルに構成して、それを曲線でおしゃれに仕上げる、という個性的でとても魅力的なデザインでした。
このデザインセンスと魂動デザインの融合が今回のMX-30なのかと勝手に自分で納得していました。
それならば、従来のマツダラインナップとの差異も、観音開き、そして軟派でユーモアな存在、狙っているユーザーが普段と異なる点も自然と受け入れられます。

魂動デザインの新たな解釈に挑んだエクステリア

MX-30のエクステリアは、mazda3やCX-30といった新世代を含む従来の魂動デザインとは異なる世界観を持っています。
滑らかで躍動的に、筋肉質に流れるボディラインのうねりがなければ、フロントフェイスのグリルからメッキ、ヘッドライトに連なる連続性もありません。

しかし、直線と曲線を融合させて、無駄のないスッキリとしながらも淡白にはならないデザインはまさしく最近のマツダを感じさせる不思議なデザインになっています。
正直、車単体で見てみると、魂動デザインのような重厚な上質さというよりは、カジュアルで道具としてのスタイリッシュさがあり、オシャレでカッコ良いです。

カジュアルでアーバンなインテリア・センス

今回のマツダMX-30で一番、こだわりというか、面白い部分がインテリアであると思います。

マツダMX-30は、インテリアでも従来のマツダからの脱却を図っています。
インテリア素材にコルク素材や呼吸性、リサイクルファブリックといった独特な素材を使うことで、エコに対するアピールと、レトロとアーバンがコラボしたオリジナリティのある質感を追求しています。
そういう意味で、エコというものをうまくデザインに昇華させたかなと思います。

インテリアデザインにおいても、CX-30と共通している部分はありますが、マツコネ以外にもう一つのコントロールモニターを用意して、そこでエアコンなどの操作を行うといった点が独特です。
タッチパネルということで、マツダはとうとう運転しやすい環境作りをやめたのかと思いきや、エアコンの温度パネルは物理スイッチもあります。
送風はタッチパネルですが、多くの場合でエアコンの風量はオートにしていると思うので、不便ではありますが、致命的ではありません。

コントラストを狙った配色パターン

素材だけでなく、シート・インテリアのカラーパターンにも、前衛的なセンスを感じます。
落ち着いたディープブラウンやネイビー、オフホワイトをブラックと組み合わせる従来の流れとは異なっています。
ホワイト・グレーのシートや赤みの強いブラウン・ブラックを組み合わせたシートなど、色の持つキャラクターをより前面に押し出した配色パターンを採用し、フレッシュさとアグレッシブで洗練されたキャラクターを演出しています。

とは言え、消えない中途半端さ

正直、セラメタさんや五味氏のYoutubeを見るまで、ほとんど期待していなかったマツダファンですが、そのYoutubeを見てだいぶ好印象を持ちました。
EVに目処が立たなくてヤケクソで出したのかなという心配もそれなりに小さくなりました。
とは言え、やはり中途半端なポイントは残ります。

変に魂動デザインらしさを残したフロントデザイン

まず、これだけ個性的なインテリア、そして従来のマツダデザインから飛躍した視点を持っているのであれば、エクステリアはいっそ魂動デザインからもう少し変化が欲しかったかなと思います。
そうしたらもっと突き抜けて、新しい時代のライフコミュニケーターとしての車としての立ち位置を確立できた可能性もあると思うと少し勿体無く感じます。

というのもボディラインなどはだいぶ吹っ切れていますが、ヘッドライト回りのデザインがなんとなくマツダ風となっているので、全体のキャラクターとの剥離を感じてしまいます。

エンジン性能面でも飛び道具が欲しかった

今回はマイルドハイブリッドということではありますが、それ自体はすでにCX-30でSKYACTIV-Xという夢のエンジンでマイルドハイブリッドを採用しています。
そのため、目新しさという意味では皆無に近いです。

インテリアの洗練度やおしゃれな感じに対して、エンジンの個性がどうしても負けてしまいます。
とは言いつつも、これはブランド単位の目線になるのかもしれませんね。
また、当初はマツダ初の市販EV車という情報による、先進性やこの車の独自性(マツダ内の)へのイメージにまだ引きずれられているのかもしれません。

車単体で見れば、2リッターエンジンの性能やフィーリングがよければ何も問題ありませんね。
価格帯も200万円台前半からなので、エンジンにそんな大掛かりなラインナップは確かに現実的ではありません。

なぜ、観音開きドアなのか

そして、これが一番の疑問なのですが、なぜ観音開きドアなのでしょうか。
以前にRX-8で採用していた際は、リアシート周りの空間があまり広くない中で2ドアクーペと4ドアセダンのバランスをとって、実用性を見出したものであったと思います。

しかし、今回はボディサイズは言うなればCX-30そのもの。
Youtubeで見た限りではリアシートは十分な広さが確保されているように思います。
こうなると、逆に観音開きのリアドアの長さが実用面で邪魔になるのでは?と邪推してしまいます。
チャイルドシートを利用している場合に、そのシートによっては利便性があったり、後席の子どもがドアを開ける心配がないという点はメリットですが、それ以外のデメリットが大きいように感じます。

可能かどうかは置いておいて、せっかくならスライドドアを採用して見て欲しかったですね。
SUVでスライドドアが現実的に採用できるのかという話はありますが、それくらいの飛び道具があったら、インテリアの先進性と相まって面白い存在になったのではないかと思うと惜しいです。
とはいえ、マツダがこの車で狙うユーザー層(思惑通りにその層に魅力が伝わればですが)に対しては、この観音開きにおけるメリット・デメリットうんぬんというよりは、この車ならではのこだわり、独自性のネタ・ツールとして有用なのかもしれませんね。

ブランド単位で見たときにもっと異物感が欲しかった

マツダは魂動デザインを持って、マツダのカラーとして各モデルに統一した雰囲気を与えることで、マツダの世界観が好きな人に予算・用途・状況によってモデルが選べるラインナップモデルを構築しました。

今回のMX-30は、そういう意味では従来のラインナップとは一線を画すモデルとなります。
もしも、この路線でさらに数モデル投入する予定であるのであれば良いのですが、そうでないのならば、MX-30にはもっと異物感を与えるユニークなモデルでも良かったのかなと思います。

中途半端にMX-30を従来のマツダのラインナップに寄せた感があるため、この車の立ち位置が見えづらくなってしまっていると感じます。
もっともっと突き抜けて行って、「マツダもこういうモデル出すんだ!」という驚きに満ちたモデルだったら、さらに良かったのかなと思ったりしました。

ブランド単位で見たときにもっと異物感が欲しかった

最後にこの車のデザインについて、勝手に採点をつけたいと思います。
独断と偏見によるものですので、ネタということでお願いします。
また、実際に試乗に行ったわけではないので、素材感や質感といった部分は採点の対象としておりません。

採点は・・・76点です!

Youtubeで見た限り、インテリアの洗練性とかっこよさはポイントが高いです。
しかし、フロントマスクとボディラインとのギャップなど、キャラクターに少しブレを感じるため、そこはあまり高い点をつけることをためらいました。

とはいえ、マツダファンだからこそ気にしすぎている点もあるかもしれません。
マツダらしさと、全く新しいマツダの提案という意味で、デザイナーの方はバランス取りに苦心されたのではないでしょうか。
そういう意味では、その両立という意味では実現できていると思いますし、車単体で見た時のスマートな格好よさは魅力的であると思います。

※なお、このレビューはYoutubeや各種ウェブサイトで車を確認し、収集した情報から書いたレビューとなります。そのため、実際に実車に見て触ったら、また評価が180°変わることも十二分にあるということを認識した上で、あくまでネタの一つとしてお読みいただければと思います。


このエントリーをはてなブックマークに追加



同じカテゴリの記事一覧

カテゴリー:
マツダ   MX-30   レビュー  




最新記事



人気のある記事



カテゴリ