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マツダがブランディング?
そんなの無理無理!・・・と98%の人が思っている。
マツダというメーカーは2012年の初代CX-5のリリース、そしてその販売成功を皮切りとして、クリーンディーゼル+鼓動デザイン、そしてSKYACTIVというアーキテクチャーを前面に押し出したプレミアムブランドとしての道を歩もうとしています。
その一方で、マツダというものに特別感(高級感という意味ではありません)を感じる人は決して多くなく、むしろ40代以上の方であれば、ブランディングとは真逆の「マツダ地獄」というイメージを持っている方が多いでしょう。
そんなブランディングとは程遠いマツダが、ブランディングを重視したメーカー(達成したとは言ってない)に生まれ変われたのか。その理由を考察します。
かつて、マツダ地獄とも言われた値引き合戦を行い、ブランドとしての価値を地に落としたマツダ。
そんなマツダが初代CX-5をリリースして好調な販売を記録した頃から、ほとんど値引きしないワンプライス販売を行うようになりましたね。
値引きをしなくなったのは、もちろん利益率をあげたいという直接的な動機もあるでしょうが、マツダとしてのブランディング価値向上に真剣に取り組み始めたことが大きな理由でしょう。
マツダは2%のシェアに支えられる自動車メーカーを目指すと標榜していますが、全体のうち熱烈なマツダファンを2%作っていきたいということだと思います。
そのためにも、ファンが自信と誇りを持って、所有する喜びを感じられるようなブランドであり、そんな車を作っていかなければならないと決意したからでしょう。
それにしても、マツダ地獄なんてブランディングとは正反対のことをやって、日本の自動車メーカーの中では、一番ブランディングとかけ離れたメーカーが、そんな方向に舵取りができたのでしょうか。
自分がマツダファンなのでなんとなく思うのですが、そんなブランディングを放棄したメーカーにおいても何故か熱烈なファンも多かったという非常に変わった特徴があるメーカーだったことにあると思います。
マツダというメーカーは、正直変わり者なメーカーです。
どこのメーカーも実用化しなかったロータリーエンジンを市販して、すでにブームなど去っていた2シーターオープンスポーツカーを市販して今ではギネスに乗るほど売れちゃって、そして日本のメーカーで唯一24時間の耐久レースであるル・マンで優勝なんかしちゃったりする。
そして、日本車だけど欧州車のようなスタイリングが好きで、5ポイントグリルみたいなファミリーフェイス(当時はなんちゃってファミリーフェイスだと思いますが笑)なんか導入しちゃったり、、、と非常にクセが強い・・・というかクセしかないメーカーでした。
(単純にただの安売り専門メーカーではなかった)
だからこそ、ちょっと変わった人が妙に愛着を持って熱烈な支持者になっちゃいました。
マツダのクルマ作りは一言で言えば、マイペースで商売下手。
自分のこだわりをとことん追求する一方で、市場が求めるものを分析・企画するというような器用さや商売っ気はとことんダメなブランドです。
ロータリーエンジン、非力なオープンカー、突如現れたミラーサイクルエンジン、クリーンディーゼルであるSKYACTIV-D、SPCCIによる夢のエンジンSKYACTIV-X・・・どれも売れるためのクルマ作りをハナから放棄しています。
しかし、自分が良いと思ったものをとことん追求する頑固な職人気質のメーカーと言えるのではないでしょうか。
そして、そんなひたむきで不器用でユーザーに「ついてこい」とい言わんばかりの強制力、そして何故か昔から妙に高いデザイン力、そんなものに惹かれた少数の人たちが熱烈なファンになって、マツダを支えています。
最近のマツダのこだわりで、販売競争力を下げている例として、アクセルペダルを真っ直ぐにするパッケージングがあります。
前輪駆動車でありながら、フロントノーズを長く取り、アクセルペダルが自然な位置にくるようにする。
しかし、そのおかげで全長の割に後席が狭くなる。
・・・なんだそりゃ。
mazda2、CX-3、mazda3、CX-30など同クラスのライバルに比べて例外を除いて、どれも後席が狭いというレビューが溢れます。
CX-5でさえも十分な広さが確保されていながらも、ライバルと比較するとやはり後席は決して広いとは言えないという評価をされがちです。
しかし、それがマツダなんです。
そして、そんなこだわりがもたらす車の魅力に取り憑かれてしまうのが、マツダファンなのです。
そう、私のことです。
ただし、子どもが生まれた私が選んだのは後席が広いCX-5ではありますが・・・もしかして、単価の高い車を買わせるための戦略か!?笑
とにかく、こんなこだわりが今ラインナップされている車にはどれも詰め込まれている一方で、高い評価を受けている衝突安全性や安全に関する装備がベースグレードから多く標準装備されているなど、誠実な車作りをしていても、それを「マツダのこだわりとして口に出すほどでもないから」とメディアでアピールしたりしないんです。
テレビCMでも、矢沢永吉さんが大活躍している日産のCMみたいに芸能人を使うこともなく、本当に「アピールしないのが美徳」を地でいくメーカーだなぁと感心するような、呆れるような。。。
まぁ、そんな姿勢が2%の人に熱烈に愛されるメーカーとしての道なのかもしれませんね。