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値引き?そんなのは過去の話だ。
今はしない。
車を新車で購入する時に気になるポイントが値引きです。
そして、「マツダと言えば値引き」と言っても大げさではないくらいに、両者は深い関係にありました。
しかし、近年のマツダはワンプライス販売ということで、新モデル登場やフルモデルチェンジして年数が経ってからも値引きをほとんどしなくなりました。
(それでもレクサスに比べればそれなりにはしているようです)
今回はその理由について考察してみたいと思います。
マツダの値引きという話であれば「マツダ地獄」という言葉に触れない訳にはいきません。
マツダ車を買った人は、その後もずっとマツダ車に乗り継いでいってしまう現象のことを言います。
マツダの虜になった人にとっては、良い意味で使われるマツダ地獄でしょうが、そうではないほとんどの人にとっては、「車を買い換える時のリセールバリューがとても下がるため、比較的高値で買い取ってくれるマツダで次の車を買わざるを得ない」というネガティブな意味のマツダ地獄でしょう。
そんなマツダ地獄なんて現象が起きてしまった主要因はマツダによる「過剰な値引き」です。
過剰な値引きは、ブランドとしての価値も一緒に値引いていってしまうため、今のマツダがいうブランディングというのはその時にはとても同じメーカーとは思えないでしょう。
何と言っても、2代目MPVは当時の自動車雑誌によれば一声40万円の値引きは当たり前。80万円引きなんていうこともあったようです。
前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ本題です。
そんなマツダが初代CX-5をリリースして好調な販売を記録した頃から、ほとんど値引きしないワンプライス販売を行うようになりましたね。
マツダが値引きをしなくなった理由は主に
であると思います。
今の日本の自動車メーカーはワールドワイドな展開をどうしても求められてしまいますから、マツダもいつまでも安売りブランドでは近い将来に完全に行き詰まるのは目に見えています。
そこで、自分のブランドの立ち位置を明確にして、ブランドの価値を高める戦略を取るために、値引きを抑えるようになったと思います。
そして、もう一つは利益率を確保するためです。(あまり確保できていませんが・・・)
先述したような40万だの50万だの値引きしていたら、いくら売っていても利益になりません。
薄利多売するにしてもマツダの販売力はトヨタの足元にも及びませんから、どんどんジリ貧になっていってしまいます。
しかし、落ち着いて考えてみると「利益を確保するため」「ブランドの価値をあげるため」といった99%メーカー本位な理由で値引きをやめますなんていっても納得できますか?
自分はマツダファンですが、幾ら何でもそれは素直に受け入られません。
そんな身勝手な理由をユーザーに押し付けて、値引きをしなくなってもマツダファンが離れていかないどころかむしろ増えているのは何故でしょうか。
そして、まだまだ過渡期ではありますが、少しずつマツダというメーカーがブランドとして認知され始めて来ています。
その理由は大きく3つあると思っています。
初代CX-5は、クリーンディーゼルと鼓動デザインという2つの飛び道具を組み合わせてデビューした車であり、これが他のメーカーにはない個性として、また手頃な価格設定もあり、マツダファンもそうでない人にも受けて、起死回生のヒット作となりました。
それからデミオ、CX-3、アクセラ、アテンザ、2代目CX-5、CX-8、そしてmazda3、CX-30と共通したアピールポイントとして商品展開をしていきました。
もう一つの特徴として年次改良というマイナーチェンジみたいな改良を文字通り、1年程度のスパンで行うことで、商品を常に進化させて、「経年=商品価値の継続的な向上」とすることで、値引きを抑えていてもユーザーにとって受け入れてもらえる理由になったと思います。
しかし、一方で「買い時が分からない」「年次改良で一こ前のモデルを買ったオーナーが損をした気持ちになる」という新たな問題も生み出してしまいましたが。
また、値引きを抑えることで確保できる利益が明確化できます。
それによって、装備を充実させながら車両本体価格を抑えるという手法が可能になります。
インテリアの質感を高めて、安全装備類を標準装備として、オプションをほとんどつけなくても乗り出しに困らないようなプランニングがされているのに、車両本体価格はライバル達と比べても遜色ないレベルに抑えています。
とはいっても、マツダは本当はもう少し価格レンジをあげたいはずです。プレミアムメーカーではなくとも、コストパフォーマンスよりも車としての魅力で選んでほしいと思っているはずです。
事実、マツダは値引きを抑えて客単価を回復させても、利益率が極端に低くなっています。
しかし、マツダ地獄なんてことを今までやって来たので、そのイメージ回復という過渡期であり、少しづつ自身のブランド力をあげるためには、大判振る舞いに近いこともやっていかなければならないのでしょう。
私はずっと前から、車の販売において何十万円を値引きする文化が不思議で仕方なかったです。
もちろん、自動車雑誌などが値引き攻略と題して、競合他車や同じメーカーの他ディーラーで価格勝負をさせるといった記事を当たり前に載せているため、ユーザーもそれにつられて「値引きがない=ケチ」という印象が根付いてしまっているのかもしれません。
しかし、メーカーが損するくらいに値引きをするわけがありません。
大きく値引きした上で利益が出るような仕組みになっているのです。
これはどういうことか。
車両本体価格にそもそも値引き分が上乗せされて販売されていることに他なりません。
値引きをしないと買ってくれないならば、あらかじめそこを先回りした販売戦略を練ることは企業として当然です。
そうさせているのは他でもない、値引きを得とありがたがるユーザーと、そういう方向に誘導している自動車雑誌なのです。
私は、価値のない部分にお金を払うのは嫌ですし、値引き交渉も正直いって自分も嫌だし、ディーラーの営業さんも嫌だと思うのでほぼしません。
今回かったCX-5も奥さんの値引き一声3万円でした。
そういう意味で、値引きをしないとしても、それがしっかりと商品としての価値と見合うのであれば、気持ちよく購入できます。
自分がマツダファンというのも当然影響があるのですが、マツダがあまり値引きをしないのはむしろ好感を抱いています。
ディーラーから見てもゴリゴリ値引きを迫ってくるユーザーは上客にはなりようもなく、何かあったらすぐクレームを入れて来そうな厄介な客と思っているのではないでしょうか。
商品に関しては適正な価格で取引をできるという当たり前のシステムが、車の値引きにおいてもなっていて欲しいと個人的には思うのです。